3.3. 核燃料増殖施設:AMSB
 2030年頃までは、次章3.2節のD-計画 で述べるように、既存の原発の使用済み酸化物核燃料から単純な乾式再処理法で得られる「Pu含有弗化物溶融塩」を初期燃料とし、Puの消滅処理を引受けつつ発電すれば良いのです。しかし、そこで生れる233Uのみでは今世紀中頃における発電容量の拡大には不足です。
 233U増産には、DT核融合利用も考えられますが、まだ道は遠いでしょう。従って、核スポレ−シヨン反応装置を利用すると良いと思います。カナダ中心の努力で物理的基礎が確立され、私達が実用性の高い工学的設計に成功しています。
これは約十億 eVに加速した陽子を重い原子核に衝突させ、発生する多量の中性子を利用するものです。狭い局所で発生する激しい核的・熱的・化学的問題に対処するため、古川等はターゲット・ブランケット兼用の溶融弗化物塩浴中のTh核と反応させる方式を考えました。直径約4m、深さ7mの溶融塩タンクの上部に渦を形成させ、陽子を入射させるのです。照射損傷はなく、熱除去も容易です。炉化学的問題も核分裂炉と大差ありません。大電流陽子加速器の開発が残されていますが、まだ20年の時間があります。塩は核燃料 233UF4成分の濃度が増えたならば汲み出して、直接 FUJI発電炉へ送れば良いのです。替りに、Th塩が添加されて233UF4濃度はほぼ一定に保たれます。

AMSB概念図


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