MSREとは? (溶融塩実験炉とは?)

MSRE (Molten-Salt Reactor Experiment;熔融塩実験炉)は、米国オークリッジ国立研究所(ORNL)の溶融塩実験炉の名称です。MSREは、固有安全な熱中性子型の熔融塩増殖炉の実証の為、建設されました。

MSREは、熱出力7.4MWtで、650℃の炉心の熱は、2次系に伝えられ、さらに熱交換器により、空気冷却されました。炉心・配管などは、ハステロイNと呼ばれるニッケル系合金で作られ、減速材は黒鉛です。右下の写真にあるように、炉心の構造物はこの黒鉛だけです。
MSREの燃料塩は、フリーベと称する熔融塩(2LiF-BeF2)に、ZrF4とUF4を加えた混合塩(LiF-BeF2-ZrF4-UF4 、(65%-30%-5%-0.1%))が用いられました。2次冷却塩は、核物質を含まないフリーベです。

MSREが発電系を持たなかった理由は、当時の火力発電技術では、650度という温度が余りに高温だったので、敬遠された、とのことです。また、燃料塩がトリウムを含んでいない理由は、当時のMSBR(大型の発電用熔融塩増殖炉)の設計では、炉心燃料塩は核分裂性物質(U233)のみとし、一方、ブランケットをトリウムのみを含む塩とする、という2流体分離型の原子炉が想定されていたので、その炉心部のみを実証しようとしたためです(ORNLでMSRを推進した立役者H. G. MacPhersonの「The Molten Salt Reactor Adventure」より引用)。


MSREの目的は、溶融塩原子炉が実現できることを実証することでした。1965年に臨界に到達し、4年間、事故は勿論、大きなトラブルもなく、順調に運転されました。
ウラン235、ウラン233、およびプルトニウム239、の3種類の核燃料が使用され、熔融塩炉は、このどれも燃料とすることが可能なことを実証しました。また、燃料塩は放射線損傷せず、黒鉛は燃料塩によって腐食されず、ハステロイNの腐食は取るにたらなかったことが明らかになりました。さらに、キセノンなどの放射性気体の回収が実証され、気体以外の核分裂性核種は燃料塩に安定状態で残存していたことが明らかになりました。
MSREは1969年末に最終的に停止し、その後、燃料塩は長期間保管後に除染され、一方、原子炉設備は除染処分する計画が発表されましたが実行されていません。

MSRE原子炉上部 MSRE炉心(黒鉛)



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